a747917a.jpg新田次郎/著 上下巻、この年末年始はこれ読みます。以下は本書の裏表紙に書かれている紹介文です。

昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家として野道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。

いかなる場合でも脱出路を計算に入れた周到な計画のもとに胆道区行動する文太郎が初めてパーティを組んだのは昭和11年の厳冬であった。家庭を持って山行きをやめようとしていた彼は友人の願いを入れるが、無謀な計画に引きずられ、吹雪の北鎌尾根に消息を絶つ。日本登山界に不滅の足跡を残した文太郎の生涯を通じ“なぜ山に登るのか”の問いに鋭く迫った山岳小説屈指の力作である。